bodywork studio BASE CONDITIONING LABOの山邉です。
ここ最近のフィットネスブームの勢いのせいか、
ここ数年増えてきた悩みが
『思ったようにトレーニングが効かせられない!』
というものです。
去年は本当に多かったように感じます。
そして、『ボディメイクをしたい』もしくは既にされている女性で
圧倒的に多かったのが
【ブルガリアンスクワットでお尻に効かせられない】
美尻トレーニングと言えばこれ!と言っても過言ではない
【ブルガリアンスクワット】
ヒップスラストと人気を二分するアイツですね。
こんな感じのトレーニングです。(グーグルでブルガリアンスクワットを画像検索したページに飛びます。)
何故お尻に効かせられないのか!
何故太ももにしか効かないのか?
今回はこのブルガリアンスクワットを題材にしながら、
思った様に身体を動かせない理由を考えていきたいと思います。
全てのエクササイズや動きに転用できる内容になりますので、
カラダの使い方に困っている人は是非読んでみて下さい。
早速本題『ブルガリアンスクワットがうまくお尻に効かせられない理由』
本来なら、『ブルガリアンスクワットのやり方』とか『効果』を説明するべきなのですが今回の趣旨と少しずれるのでそれはまた別の機会にして、早速本題の『効かせられない理由』『思った通りに動かせられない理由』について書いていきたいと思います。
ブルガリアンスクワットが分からない人は『片足で行うスクワット』だと思っていただければいいと思います。
では、僕の治療家・パーソナルトレーナーとしての経験による『効かせられない理由』を、内容的に重なっているものも含め思いつく順番に挙げていきたいと思います。
- 柔軟性不足
- 可動域不足
- 筋力不足
- 負荷設定のミス
- 関節包内運動の機能障害
- 筋膜の癒着
- 正しいフォームを知らない、もしくは理解不足
- フォームは知っているけど出来ない
- 出来ているつもりでも実際は出来ていない。
- 正しい運動イメージが無い、もしくは勘違い
- ボディスキーマの不足、低下
- 言語的理解の不足、もしくは間違い
- 解剖学的理解の不足、もしくは間違い
分かりやすいものもあれば、『何これ?』というものまであると思いますが、ブルガリアンスクワットを例に説明が必要そうなものだけ簡単に説明してみたいと思います。
・柔軟性不足
股関節にブルガリアンスクワットに必要なだけの屈曲可動域が無い。このあと説明する『運動イメージ』がどれだけ正しくでもそもそも股関節を曲げられなければ動き自体が不可能です。
・可動域不足
柔軟性不足と同じくブルガリアンスクワットに必要な股関節屈曲が無いので股関節以外の関節で代償してしまいます。柔軟性の不足とは屈曲制限の原因が『筋・筋膜』といった軟部組織にある場合を指す事が多いですが、ごくたまに股関節のハマり具合などによる骨性の制動や骨盤内関節の連動不足などによる軟部組織以外の屈曲制限がある人がいるため、あえて分けています。
・筋力不足
ブルガリアンスクワットを正しいフォームでしゃがむだけの臀筋が無い場合、別の筋肉(主に太ももや背筋)を使って行ってしまうので、この場合しゃがむ深さを変えたり、エクササイズそのものを変える必要があります。
・負荷設定のミス
慣れてくると自重だけでは、負荷が足りず『ダンベル』を持って行ったりしますが、その時ダンベルが重すぎると『筋力不足』と同じことが起きます。
・関節包内運動の機能障害
股関節を曲げる動きを『屈曲』と言いますが、関節面の動きを見ると『下方滑り』という動きが起きています。この関節面の動きは関節包内で起きるため【関節包内運動】と呼ばれるのですが、関節包の硬化や関節包とその周りにある腱や軟部組織との癒着などでその動きが阻害される場合、正しい屈曲が起きないので『柔軟性不足』『可動域不足』と同じ様に動作そのものがとれなくなります。
・筋膜の癒着
『柔軟性不足』の原因になりうるもの。筋の柔軟性はしっかりあるものの動かしたい筋と動かなくていい筋との間に癒着があると動作が取りにくい、もしくは取れなくなります。ブルガリアンスクワットの場合臀筋とそれを覆う皮下脂肪層との癒着による滑走不全で臀筋が使いづらくなり効かせられなくなる事があります。
・正しいフォームを知らない、もしくは理解不足
・フォームは知っているけど出来ない
・出来ているつもりでも実際は出来ていない。
・正しい運動イメージが無い、もしくは勘違い
運動イメージに問題があり、次のボディスキーマには問題のない人の場合、ほとんどの場合、お手本を見せるだけで再現できてしまいます。
・ボディスキーマの不足、低下
『ボディスキーマ』日本語では身体図式と呼ばれるもので『自分の身体の姿勢や動きを制御する際にダイナミックに働く無意識のプロセス』と説明される用語です。姿勢、動きの一番根源となるもので僕が一番最初にチェック、修正するものです。アレクサンダーテクニークでは『身体の地図』フランクリンメソッドでは『イメ(マ)ジェリー』として取り扱われるものに近いイメージで、正しいボディスキーマがあった上での正しい運動イメージだと理解してもらえればと思います。
ブルガリアンスクワットの場合、どうしても太ももに効いてしまう人は『しゃがむ』という動きに対して『膝』のボディスキーマが強く『股関節』に対するボディスキーマが低い、不足している人が多くみられます。
この場合、正しい手本を見せても出来ない場合が多く、手を添えながらフォームを修正して正しい動きを経験させながら、股関節の動きを感覚してもらいながら、言語的、解剖学的に理解を深めてもらう必要があります。
・言語的理解の不足、もしくは間違い
・解剖学的理解の不足、もしくは間違い
正しい動作を行うためには・・・
余計分かりにくくなりました。
一旦纏めますと、正しい動作を行うためには、
・無意識レベルで自分の身体をしっかりイメージ、理解できている。
・その動き、エクササイズに必要な柔軟性、筋力、関節の機能性がある
この2つがベースとしてしっかりした上で
・その動き、エクササイズの正しい運動イメージがある
・正しい運動イメージを表現出来るスキルがある
少なくともこの4つのモノが必要となってきます。
ややこしいですよね?
そうなんです。ややこしいんです。
人間が動くためには複雑に絡み合ったプロセスを必要とします。
しかし、そのプロセスをいちいち意識してやってられないので、そのほとんどを無意識下で処理してくれています。
そのおかげで、階段を上りながら晩御飯何作るかを考えられたり、行き先を意識するだけで自転車で目的地までたどり着けたり出来るわけです。
『動き』のほとんどを無意識に処理できるおかげで、
『何か【動き】がおかしい』となった時、
その原因を取り違えると、アプローチ方法を間違えてしまうことに繋がります。
だからいつまで経ってもお尻に効かせられないんです。
【重要】思った様にカラダが動かせない時に考えなければならない事
色々ややこしく書いてきましたが、今回覚えておいて欲しい事は、
・自分で努力してなんとかしなければならない事
・自分自身ではどうにもならない事
があるという事です。
ひとまず、これさえ押さえておいてもらえればいいと思います。
例えばしっかりとしたボディスキーマがあり、運動イメージもバッチリで筋力もしっかりあるのに股関節周辺に癒着があり正しい股関節の運動が妨げられている時は癒着を取り除くというプロの仕事が必要となります。
逆に施術家側の目線からから考えた時に、股関節の機能性も筋力も申し分ないのに上手に効かせられない場合、言語的なアプローチなのか、感覚的なアプローチなのかビジュアル的なアプローチなのか見極められる技術が必要となってきます。
ここから少し宣伝になりますww
もし【自分ではどうにもならない】部分で悩んでいる場合は
遠慮なくこちらまでお問い合わせく下さい。
【自分でなんとかしなければいけない】モノなのか
【自分ではどうにもならない】部分なのか分からない!
という方も是非お待ちしております!
次回は【何が自分でなんとか出来るもので、何が無理なのか】
をもう少し分かりやすく掘り下げてみたいと思います。